
スキーリゾートのメッカとして知られる長野県白馬。栂池高原は白馬に隣接する山岳リゾート地として人気エリアではありますが、周辺を含めるまでもなく小谷村、栂池高原だけでも数百軒の宿泊施設が競合する、激戦区とも言える地域です。そんな中、2008年12月~2009年2月というハイシーズンにじゃらんネットの白馬エリアでランキング2位、栂池エリアでは1位になったホテルがベルグハウス。栂池では老舗のベルグハウスも、集客塾の電話コンサルティングによって劇的な業績回復を果たしたのです。
| もくじ |
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1. ネット利用以前の問題点はオフシーズンの集客 2. ネット界の競争激化で再び厳しい状況に 3. お尻に火が付き、電話コンサルを導入 4. 目を見張る集客高価と経費節減 5. 電話コンサルは最高のシステム 6. 常にお客様に満足してもらうために |
― こちらのホテル、ベルグハウスの由来を教えて下さい。
この栂池高原は、昭和37年に本格的なスキー場として開発されました。その時に、当時北アルプスで山小屋を営んでいた私の両親は、冬場のスキー客のための宿泊施設を営むことにしたのです。最初に声をかけていただいたこともあって、何度も往復してはゲレンデ沿いで一番眺めのいい、この場所に決めたと聞いています。だから栂の木通りでは一番古い宿泊施設なんです。もっとも最初は立て直した保健所の廃材を利用して建てた質素な建物でした。1977年に現在の建物に建て替えたのですが、その前に旅行に行ったスイスの町並みが気に入ったので、建物をチロリアン風にしたそうです。

― とても雰囲気のいい、味わい深い印象の建物ですね。松沢社長はずっと、こちらのホテル営業に携わってきたのですか?
高校生の頃はアルバイトとして手伝っていましたが、大学時代はアメリカに留学などもさせてもらい、卒業後は都内のホテルで営業マンとして経験を積みました。2001年にベルグハウスに戻ってきてお客様のお世話をしていましたが、2006年から父の後を継いで私が社長となって経営しています。
―海外や都内の宿泊施設を見たり、勤めることで視野を広げられたことと思いますが、このベルグハウスに戻ってきた時の経営状態などはいかがだったのでしょうか。
冬場のオンシーズンはいいんです。忙しいし、利益も出ていました。しかし、夏場は旅行代理店の激安ツアーパックでしのいでいたような状態で完全に赤字状態でしたね。冬場の利益だけで1年をやりくりするような、そんな厳しい状況でした。そこで自分の力で集客できなくては、集客力を付けなくては、と思い立ったのです。ちょうどインターネットが出始めた頃でしたので、これからはネットの時代だと思って旅の窓口(現在の楽天トラベル)やじゃらんネットなどに登録してみたところ、お客様の反応も良く、「これはイケるな」と思いました。
しかし単なるスキー宿では、周辺の宿泊施設と差別化ができません。何か特徴がないと。そこでお風呂に力を入れようと露天風呂を作り、温泉を導入しました。部屋の給湯も配管をやり直しました。そのおかげで、オフシーズンはほとんどなかった予約が入るようになりまして、旅行代理店の方も部屋が取りにくくなってしまったからなのか、あまり問い合わせが来なくなったので激安ツアーの需要は自然と少なくなっていきましたね。
― 代理店の方も忙しいでしょうから、なるべく確実に確保できる宿を優先するのでしょうか。これまでの話を聞くと、非常に上手く集客出来るようになったように思えます。
8年前はネットに出していたところは少なかったんですが、4年前くらいから大手のホテルや旅館も進出するようになって、顧客獲得競争が激しくなったんです。そのためオフシーズンだけでなく本来のかき入れ時であるオフシーズンも含めて全体的に売り上げが落ちてきてしまっていたんですよ。
そこでネットで集客するノウハウを学ぼうと神田昌典さんの顧客獲得や平秀信さんをはじめとした著名なコンサルタントなどのセミナーに参加してみたんです。だけど今一つピンと来ないんです。話を聞いても自分に対して答えとして当てはまらないような…。
そんな風に学びながらも違和感を感じていたんですが、ある時、平秀信さんのメールマガジンにセミナー参加者の成功事例として蓼科 温泉ホテル親湯の専務として柳澤塾長のことが紹介されていたんです。それを見て思い出したんですよ。そう言えばこの柳澤さんの集客塾からメールが来ていたことを。
―それは偶然なんでしょうが、何だか運命的なモノを感じますね。
そうですね。歴史ある温泉旅館の四代目として経営難状態だったホテルを受け継いだ、という境遇も私と似ていたことで共感を覚えました。しかも、そのホテルの経営を実際に立て直しているんですから、非常に説得力があると感じましたね。
―それで集客塾のセミナーに参加してみることにしたんですね? 参加されてどういう印象を持たれましたか。
旅館として集客のために出来ることは徹底的にやっている、と感じました。それと比べると自分は表面的なことで終わっていたなぁと教えられました。組織を作られて、実際の作業はスタッフにやらせて、自分はコアな部分の考案、検証に専念している。柳澤塾長は、すごく集中して取り組んでいる人だという印象を受けました。これは間違いないところだ、と思いましたね。
―初めて集客塾のセミナーに参加されたのは、いつ頃ですか?
4年前ですね。そこで教わったことなどをベースにプランのネーミングなど、自分で出来る部分は実践してみました。そうして1年目、2年目は「自分で何とかしたい」と思って勉強しながら、自分で対策していたんですが、どうも成果が上がらないんです。さすがに2年目の終わりには私自身もお尻に火がついた状態になって、いよいよ集客の効果を出さねばと思っていたところに、集客塾が電話コンサルティングをスタートさせたので、申し込んだんです。
―どういう手順で相談を進められていったんですか?
じゃらんネットでの集客を高める対策をしたい、と相談したんです。すると柳澤塾長は「では、ターゲット別のプランをしっかり作りましょう」と言って、カップル、ファミリー、年配層の各ターゲット別にメニューを構築することを提案してくれました。
― そうすると、それまではベルグハウスの特徴だけをアピールしていた、ということですか?
そうです。やはり周囲の宿泊施設との差別化を意識してしまいますから、自分のところの特徴だけにプランが偏っていたんですね。塾長は、世代やカップルや家族などの構成によって求める宿泊のスタイルや興味を引く部分が異なることから「各層向けにしっかりアピールしましょう」と言われて、プランを作り直したんです。
―個々のユーザーごとにそれぞれメニューを用意したプランを作った、ということですか?
すべてのプランにお客さんが入らなくてもいいから、自分にあったプランが見つけられるようなメニューを構築するのが大事なんです。選べる状態になっていないと、魅力を感じないという顧客心理を理解した上でメニュー作りをすることを教えられました。
柳澤の視点
私が電話コンサルする以前のベルグハウスの問題点は、客層や世代を見ていない商品構成となっていたことでした。そこでまずオンシーズンの冬に強みを高めるプランを作りました。オフシーズンの集客も重要ですが、ベルグハウスの場合オフシーズンの集客にはリゾート地としての立地条件など、ホテル単独では解決できない地域性の問題もあるため、じっくりと取り組む必要があるからです。
まず見直したのは、食事の内容でした。いかに長野は食材に恵まれているとはいっても、誰に対しても同じメニューでは訴求力が高くはありません。そこで提案したのは、しゃぶしゃぶ食べ放題と創作料理という二種類から選べる夕食メニューです。やはり若年層に食べ放題は効果が高いものです。しかし熟年層や女性には創作料理を好まれる方が多い傾向もあります。
そうした世代別、家族構成別、さらに価格も選べるものとして用意することで、自分に合ったホテルという意識を感じていただけるプランとなるのです。今回のケースも、幾度かテストを行ないお客様の反応を見て、プランを修正したのは言うまでもありません。

―なるほど。そうしたプランを作られたのが昨年の夏前なんですね。では昨年度は、お客さんの入りはどうだったんですか?
すごかったんです。バブル期を除けば人数、売り上げとも最高を記録したんですから。売り上げは前年比で14.4%も上昇しました。それだけじゃなく、柳澤塾長はマーケティングだけでなく費用管理ノウハウもお持ちです。そして経費節減にも色々アドバイスをいただいて、食材の無駄を抑えるなどの効果を上げています。少ない人数でやっているので、たくさんのお客さんにいらしていただいた時には大変なのですが、やる気も起きます。
―繁盛しているなら、張り合いが出ますよね。でも食材の無駄を抑えるというのは、食事のランクを落とすということも含まれているのですか? それなら安くてもお客さんは残念に思いますが。
いえいえ、そんなことはしませんよ。多くの料理人は経費削減の意識が薄く、自分の料理に対するプライドもありますから、無駄を減らすという感覚があまりないんです。予算はすべて使い切ってしまうし、余った食材は捨てて、従業員用の食事にも別の食材を用意したりするんですよ。
そこで仕入れを自分たちで工夫し、余った食材は従業員用の賄いに利用することで食材の無駄が大幅に減りました。それだけではありませんがこれ以上はノウハウなのであまり話したくはありません。だから利益率は8.5%も改善できましたが、お客様の食事のクオリティは以前と変わっていません。
―そうなんですか。私も昨晩と今朝、食事をいただきましたが、旬の山菜がこんなに薫り高く、美味しいということを初めて知りました。
そう言えば露天風呂も温泉だけあって、いつまでもポカポカと身体が温まりました。源泉から直接引いているワケではなく、輸送して循環されていると書かれていましたが、一度にどれくらいの量を輸送しているんですか?
1週間に一度、3tのタンクローリーで運んでもらってタンクの温泉を入れ替えています。桧風呂もあって手入れなどの手間は大変ですが、おかげさまでお客さんには好評です。昨年の12月には貸し切りの露天風呂をもう一つ作りました。そちらも大変、ご好評いただいています。
―一週間に3,000Lですか! 源泉かけ流しには敵わないとしても、それだけ豊富な湯量を使えば温泉の効果も高いのも当然ですね。
―これまでご自身だけで色々学ばれて、ネットでの集客に努力されてきたんですよね。しかし電話コンサルティングを受けるようになって、具体的な効果を上げることができたと。では電話コンサルの効果が高い理由は何だと思われますか?
セミナーや独学での勉強は、どうしても自分の経験や感覚によるフィルターを介して吸収するものになってしまいます。そのため自分のホテルに当てはめる時に、自分なりの解釈を加えてしまうんですね。ところが電話コンサルティングは、自分のホテルに対して実行する内容を直接指導されますから、そうしたブレがない。電話コンサルティングは、私たちの業界にとっては最高のシステムだと思いますね。
―なるほど、客観的に見ることが難しい自分のホテルを冷静に判断してもらえるだけでなく、自分の感覚で無意識に解釈を変えてしまうことを防ぐ、そんな効果もあるんですね。
柳澤の視点
自分の主観ほど、判断を誤らせる要因はないのです。自分の価値に自信をもっているうちは成功することはありません。集客において実は一番邪魔な要素は、この経営者の自信だと言っても過言ではないでしょう。
松沢社長は私のコンサルティングにとても熱心に取り組み、じゃらんネットの人気ランキングにおいて栂池高原エリアで1位、白馬全体でも2位という好成績を収めることに成功しました。しかも地域活動の中でも、時間拘束も多く負担の大きい、消防団の分団長まで務めています。その上で自らのホテルまで立て直したのですから、称賛に値すると言えるでしょう。
―素晴らしい数字を出されて、経営状態はかなり改善されたと思いますが、今後はどのような改善策を予定されていますか?
昨年12月にも貸し切り露天風呂を一つ増やしたのですが、今度はお部屋をキレイにしたいと考えています。実は当ホテルは建物の躯体がコンクリート製であることと、この地域の気候もあって、お部屋の壁紙の耐久性が低いのが難点なのです。これは宿泊されたお客様のご感想でもご要望が多かったことなので現在、柳澤塾長に相談してリニューアルの内容を検討しています。
それと、このあたり一帯ではどうしても白馬の方が人気が高く、栂池高原は今一つ存在感を発揮できていません。この栂の木通りの青年部だけでNPO法人を立ち上げて、栂の木通りを花一杯にしようとか、生ゴミを堆肥にして再利用するといった活動を始めています。これからも、もっと栂池高原に来ていただけるように、地域活動にも力を入れています。
柳澤の視点
今回は特殊なケースということで、建築業者と一緒に私も栂池高原を訪れ、リフォームの内容を検討しました。お金をあまりかけずにリニューアルの効果を引き出す、というコンセプトは基本的には変わりません。
このように集客力を付けたことによってたくさんのお客様が泊まられ、そのご感想で残念に思われていた箇所をリファインすることで、よりご満足していただくことによりリピーター率を高める。この好循環サイクルによってベルグハウスは、安定して高い客室稼働率を維持することができるようになるのです。 これからの成長が楽しみなホテルの一つです。
松沢様、お忙しい中、 貴重なお話をありがとうございました。

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